フロン・化学物質管理
ガリレイグループでは、脱炭素社会の実現を目指し、温室効果ガスの原因物質であるフロンガスの使用量削減、冷媒ガス漏洩防止に取り組んでいます。また、環境に配慮した企業であり続けるために、フロンガスを含む化学物質の使用量削減及び化学物資管理の強化に取り組んでいます。
グリーン冷媒転換への取り組み
新規製品・新規設備に使用する冷媒のグリーン冷媒(低GWP冷媒、ノンフロン冷媒)への転換を通じ、温室効果ガス低減に取り組み、地球温暖化防⽌に貢献します。

『GWP』とは地球温暖化係数(Global Warming Potential)の略称です。二酸化炭素を1とした場合に比較対象の冷媒ガスの温暖化係数の数値がどれだけかを表します。例えば、一般的な冷凍冷蔵機器に使用される「R404A」というフロンガスの場合、温暖化係数はGWP3,920です。そのため大気に放出された場合、二酸化炭素の4,000倍弱の温室効果があることになります。
2029年中間目標

※冷媒の温暖化係数はGWP加重平均を示します。
冷凍機内蔵製品
冷凍機別置製品及び工事
冷媒のノンフロン化への取り組み
ノンフロン冷媒:R1234yfへの転換
グリーン冷媒への転換の取り組みの一環として、2023年10月よりノンフロン冷媒R1234yf※を採用した製品の開発・生産を進めています。2024年4月には、業界で最も早くノンフロン業務用冷凍冷蔵庫をフルラインナップし、全面切り替えを行いました。
今後も全ての製品のノンフロン化を促進しています。
※微燃性・無毒でオゾン破壊係数がゼロ、GWP(地球温暖化係数)1の冷媒です。また、安全性が高いため、ご使用の現場で修理点検に対応でき、取り扱いがしやすいという特徴があります。
製品取り組み事例
ノンフロンタテ型業務用冷凍冷蔵庫
The Galilei Xシリーズ
ノンフロンキューブアイス小型製氷機
アンダーカウンタータイプ
ノンフロンスライド扉
リーチインショーケース

自然冷媒:R744(CO2)への転換
自然冷媒であるR744(CO2)はGWP1であり、燃焼性がなく、安全性も兼ね備えた冷媒です。2015年4月に施行されたフロン排出抑制法にあわせ、冷凍冷蔵ショーケースの自然冷媒化を積極的に推進してきました。2015年2月にCO2冷凍機を採用したAxia-Zeroシステムを初導入してから、2024年6月までに累計で約1万6千馬力(約2,400台)のCO2冷凍機を導入しています。2022年には独自ブランドのCO2冷凍システム「NOBRAC」を開発し、2023年度の導入実績は13件と堅調に増加しています。
また、冷凍機内蔵製品においては、2023年8月にR744を採用した冷凍機内蔵型リーチインショーケースを生産開始しました。
製品取り組み事例

ガリレイ独自の技術
冷媒制御/冷凍機制御
CO2冷凍機
遠隔監視システム
Sネット24
CO2冷凍システム「NOBRAC」
ノンフロン薬用保冷庫
CO2冷媒 冷凍機内蔵型
リーチインショーケース
断熱材のノンフロン化への取り組み
断熱材の発泡剤として使用されるフロンガスについては、製品の環境性能の向上を図るうえでの課題のひとつととらえ、技術革新を進めてきました。2016年に発泡剤にHFOを採用し、ノンフロン化した製氷機の生産を開始しました。2017年には、この断熱材のノンフロン化手法を業務用冷蔵庫、冷凍冷蔵ショーケースにも展開し、温室効果ガスの排出量削減を実現しています。さらに、2020年7月には、ガリレイグループすべての断熱発泡剤のノンフロンへの切り替えが完了しています。
製品取り組み事例

冷媒ガス漏洩防止への取り組み
冷凍冷蔵機器や空調機器の冷媒として利用されているフロンガスは、大気中に放出されるとオゾン層を破壊し、CO2よりはるかに大きな温室効果があることが知られています。そのため、2015年4月に施行された「フロン排出抑制法」では、フロン利用機器の定期・簡易点検やフロン漏洩量などの報告が義務づけられています。当社では、冷媒ガス漏洩防止を経営の重要課題の一つとして、「ガス漏れ徹底削減会議」を立上げ、冷媒ガス漏洩防止の対策に力を入れています。
2035年には10年以内の製品・施工物件の冷媒漏洩量ゼロを目指します。
「冷媒ガス漏れ10年保証」
フクシマガリレイは、冷媒漏洩における冷却不良・修理を10年間保証する「冷媒ガス漏れ10年保証」を行います。2024年4月からはノンフロン冷媒を採用した業務用冷凍冷蔵庫、製氷機に関して先行対応を開始しており、2025年度からは冷凍機内蔵型製品のフクシマガリレイ製造の全製品が対象となる予定です。
冷媒ガス漏れ10年保証


具体的な取り組み
製造時の対策
- 溶接レス又は溶接点数の削減
- 検査新技術の導入
- 材料劣化防止対策の拡充
「直す」から「止めない」へ
DXにより機器トラブルを未然に防ぐ
フクシマガリレイは、AI技術とIoT技術を活用し、店舗の冷凍機別置型機器の冷媒ガス漏れ予兆検知を行う「スマート診断」サービスを開始しました。この取り組みにより突発修理を回避することで、食品ロスと販売チャンスロスを防止する「Zero Call Company」の実現を目指します。「スマート診断」は、日本冷凍空調工業会標準規格である「業務用冷凍空調機器の常時監視によるフロン類の漏洩検知システムガイドライン(JRA GL-17)」に対応しています。冷媒漏洩を含むサイクル異常の兆候を検知し、早期に通知することで早期発見と措置に繋げることに貢献します。
※1 Zero Call Companyとは
機器が故障する前にフクシマガリレイが察知して事前に対処することで、お客様からのトラブルコールゼロを目指すというコンセプトを実現するための取り組みのこと。
スマート診断によりZero Call Companyを実現
遠隔監視用通信機能を標準装備
4G/LTE回線のSIMカードを内蔵し、単体で遠隔管理サービスの利用が可能。遠隔アップデートを通じて継続的に機能をアップグレードし、店舗の効率化を推進します。
フロン排出抑制徹底への取り組み
「フロン排出抑制法」施行以前より主要事業所にてISO14001認証取得し、フロンガス漏洩防止を重要課題の一つとして「EMS推進委員会」にてフロンガス利用機器をピックアップし、管理台帳を基に定期点検、整備を実施し、フロンガス漏洩防止に取り組んでいます。ガリレイグループの製品製造時の2023年度の漏洩量は、CO2換算で126.9t-CO2と法令に基づく国への報告を要する値「1,000t-CO2」未満となりました。
化学物質削減への取り組み
生産活動の中で使用している主な化学物質である塗料・有機溶剤は、PRTR制度(Pollutant Release and Transfer Register)※の対象となっており、特定化学物質の現場管理と使用量の管理を行っています。
塗装工程において、ボイラー設備・前処理設備及び塗装吹付けブースから排出される廃液は「廃アルカリ」として産業廃棄物処理をしていましたが、これを削減する為、2010年10月に工場に廃アルカリ中和装置を導入し、ボイラー設備から出る廃アルカリを処理し、廃アルカリの削減へと繋げました。
この中和装置は、日常管理の中で点検しており、異常が出ると直ちに察知出来るよう監視体制を整えています。また、同じ塗装工程から出る「廃シンナー」に関しては、業者にて再生シンナーとして再生し、これを工場にて再使用しています。
これらの取り組みにより、2010年11月から塗装・有機溶剤の廃棄量“0”となりました。
今後も環境汚染防止に向けて、活動を推進していきます。
※事業者が人々の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質をどれだけ環境(大気、水、土壌)へ排出しているか国に届け出ることにより、化学物質の自主的な管理と環境汚染の未然防止を目的とした制度
廃アルカリ中和装置(岡山工場)
環境配慮製品・サービス
ガリレイグループでは、脱炭素社会の実現を目指し、より環境に配慮した製品をお客様にお届けするために環境性能の高い製品・サービスの開発提供を推進し、サプライチェーン全体で環境負荷の低減を図っていきます。
製品が環境へ与える負荷をライフサイクル全体で把握し、環境に配慮した製品を継続的に開発するため、主要な開発製品に対してLCA手法による環境影響評価を実施しています。自社の製品を新旧比較することで、製品・サービスの環境配慮設計の高度化に役立てています。
製品のライフサイクルにおいて環境性能の高い製品を提供しCO₂削減に取り組み、より環境負荷の少ない製品へ移行します。

LCA(ライフサイクルアセスメント)
製品のライフサイクルごとに環境影響を定量的に把握する LCA(ライフサイクルアセスメント)の手法を用いて、環境負荷算出に取り組んでいます。2021年度よりLCA算定の基盤整備に着手して、2022年度においてフクシマガリレイ製品 縦型冷蔵庫、冷凍機内蔵型ショーケースについて、各々過年度製品含めて気候変動への影響を算定して、比較評価を行いました。
1. LCA算定範囲

2-1. GHG 排出量比較評価結果
縦型冷蔵庫
① 製品のライフサイクル段階別の気候変動におけるインパクト評価
・市場流通(使用)段階のGHG排出量※が約84.4%を占めました
・製品製造段階のGHG排出量は合計で約15.5%を占めました
② 部品点数の削減、使用時の省エネ性向上(消費電力削減)により新機種
・(GRD-120EM)は、旧機種(ARD-120RM)に比べGHG排出量が約21%削減されました。
※ GHG:Green House Gasの略で、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの総称。
2-2. GHG 排出量比較評価結果
冷凍機内蔵型ショーケース
① 製品のライフサイクル段階別の気候変動におけるインパクト評価
・市場流通(使用)段階のGHG排出量が約97%を占めました
・製品製造段階のGHG排出量は合計で約2.1%を占めました
② 部品点数の削減、使用時の省エネ性向上(消費電力削減)により新機種
・(AMC-61PGFTAXOR)は、旧機種(IMC-64PGFTAXR)に比べGHG排出量が32%削減されました。
フクシマガリレイ製品の特徴は、冷蔵品・冷凍品の保存を機能としていることから常時通電をしているため使用時におけるGHG排出量が圧倒的に高く、製品使用時の消費電力低減に対する取り組みによりGHG排出量削減に大きく貢献できる事です。一方、原材料調達、製造、廃棄の段階についてはライフサイクル全体において占めるGHG排出量は相対的に小さいですが、すべての生産数の積み上げから見ると相当数量となり、今後もLCA評価を継続し、その結果を製品開発や事業活動に活かすことにより、ライフサイクルのあらゆる場面でのGHG排出量が抑制された環境性能の高い製品を開発・提供していきます。
資源有効利用
ガリレイグループでは「資源有効利用の促進」を重点テーマの1つとして設定し、環境汚染防止や、水などの資源の使用量の削減に取り組み、製品の長寿命化や生産拠点から排出される廃棄物量の最少化、使用済み製品・部品のリサイクル拡大などに取り組んでいます。
水資源管理への取り組み
生産工程では、水を大量に使用するプロセスはなく、間接冷却など限られた用途で水を使用しています。また、各工場は渇水などのリスクが低い地域に立地しており、各地の状況に応じて水道水・工業用水・地下水を適宜使用しています。排水は適切な処理をおこない、下水道および公共水域への排出をおこなっています。

廃棄物管理への取り組み
金属作業屑やプラスチック材料作業屑などの歩留まり向上、製造工程での不良品削減活動、在庫管理などに積極的に取り組んだ結果、2023年度の廃棄物排出量は前年度比6.6%減の2,827tとなりました。また、廃棄物の再利用率についても、廃棄物の分別、再利用の促進によって、80.0%以上を維持しています。引き続き、廃棄物の発生抑制を促進するとともに、再利用率の向上に努めていきます。

自然環境保全
ガリレイグループでは、自然環境保全への対応を、持続可能な社会の実現のために取り組むべき重要なテーマと認識しています。「環境方針」のもと、中長期的な視点に基づく具体的な計画の実行によって「自然資本に与える負の影響ゼロ」を目指します。
木質資源管理への取り組み
サプライチェーン全体での廃棄物を削減する取り組みとして、一部を除く製品の梱包材を木枠から段ボールによる簡易梱包へと移行しています。梱包箇所は製品全体を覆わず、上部の保護と損傷率の高い製品下部のみとすることで、廃棄物を最小限に抑える工夫をしています。これにより、輸送重量が削減できるだけではなく、販売会社で開梱した際の処理がしやすいなどのメリットも生まれました。また、サプライヤーからの部品納入の際には通い箱を使用し、段ボールの使用量を削減しています。
製品木枠梱包の様子
生物多様性保全に関する方針
ガリレイグループは、地球のいのちを守るべく、その源である自然の恵みを守り、維持する取り組みを推進します。
- サステナブルビジョン「Dramatic Future 2050」を掲げ、グループ全体で温室効果ガスの排出量実質ゼロを目指します。
- NPOや公益財団法人等と連携して、自然を保護・再生し、生物多様性を保全する取り組みを進めます。
- 生物多様性に関する取り組みの状況について、ウェブサイト等を通じて定期的に開示します。
生物多様性保全への取り組み
社会貢献活動「ガリレイ1%クラブ」の取り組みの一環として、2023年度より全国の海岸や河川で自然環境保全活動「ビーチ・リバークリーン活動」を開始しました。これまで15ヶ所、16回活動を実施しており、延べ668人の社員とその家族が参加しました。
今後もビーチ・リバークリーン活動を通して、ガリレイグループ全体で脱炭素社会の実現及び社会貢献、そして生物多様性保全に努めていきます。
主な活動実績
2024年度活動実績
5月 |
滋賀県 宮ヶ浜海水浴場 |
142名 |
6月 |
福岡県 岩屋海水浴場 |
68名 |
筑後川河川敷(合川地区) |
芥屋海水浴場 |
9月 |
大阪府 淀川 |
104名 |
10月 |
千葉県 幕張の浜 |
79名 |
長崎県 時津ウォーターフロント公園 |
鹿児島県 甲突川 |
11月 |
岡山県 吉井川 |
73名 |
宮崎県 みやざき臨海公園 |
12月 |
愛媛県 森海岸 |
5名 |
熊本県 水前寺江津湖公園 |
22名 |
イニシアチブへの参加
2023年8月、大阪府が企業・団体と連携し生物多様性の保全を進めるため同年4月から開始した「おおさか生物多様性応援宣言」登録制度に、以下の項目にて「宣言」を登録しました。
おおさか⽣物多様性応援宣⾔に登録しました